ばちっとハマった感じ | ■RED AND BLACK■レ・ミゼラブル2015日記

ばちっとハマった感じ

昨日土曜のマチネは、今年の通常キャスト版で観た中でいちばん濃ゆい印象。これまで、登場人物の心のつながりが今一つしっくりこない部分があったけど、それがばちっとハマって舞台からひとつの大きな力が立ち上がってきた感じ。いろんなキャストみてそれを感じたけど、ここではマリウスとアンジョの話を。

育三郎マリウスのあふれゆく感情過多っぷり、好きだな。グランテールに「堅物」とからかわれてカッとなり、勢いよくつかみかかっていくものだから、上原アンジョも内心驚いたのか目が離せなかった様子。プリュメ街では「♪天使たち」がほんとに育三郎マリウスの周りを飛びまわってそうなテンションの高さで、エポニーヌをぎゅうぎゅう抱きしめてしまったり。でも、震える声のカフェソングはABCの友の姿を窓や床に描き出すかのごとくで、オンマイオウン並みに切なかった。

上原アンジョの昨日の鬨の声、空に届いてた!空を見上げるときに見せた、希望に澄み切った笑顔を目撃して、確信した。ワンデイモアでも、いつもより笑っていたよね。ガブちゃんが死に際に砦に投げたカバンは、マリウスからアンジョへと手渡されていた。それを胸に一瞬ぎゅっと抱きしめた上原アンジョ。ああ、仲間みんなの想いが演技に乗って、つながっている。


カーテンコールでも気持ちのつながりを感じる一幕が。一緒に退場しようとしてたコゼットを別所バルジャンに取り上げられ、みんなが去った舞台に独りで取り残されそうになった育三郎マリウス。そこへ袖から上原アンジョが駆け寄ってきてマリウスの肩を抱き、二人で仲良くはけていった。役柄そのままなキャラが垣間見えたワンシーンに、思わずほっこり。