新演出を2階席でみてみた その2 | ■RED AND BLACK■レ・ミゼラブル2015日記

新演出を2階席でみてみた その2

●音響の話
本公演を2階席で見たら、プレビュー時より音響が明らかに良く感じられて、驚き。プレビューはすべて1階席で見たのだけど、冒頭の「じゃっじゃ~ん、じゃ~んじゃじゃ~ん」からして高音が目立ち、旧演出バージョンに比べて重厚感がなくなったように思えた。だけど2階席に座ってみると、1階席で聴こえなかった低音部ががっしり重なって飛んできた。客席を包む音の層の厚さが違う。本当にプレビューと同じ曲ですか、これ?と疑いたくなってしまうくらい。もちろん以前も、2階ならではの音響の良さはあったのだけど(1階席で聴こえない、役者さんのオフマイクのしゃべりが2階席だと聴こえたりする)、低音でこれほどまでの差があったのは初めての経験だった。今回の演出では音響効果を狙ってスピーカーを増設したようなので、その影響かな? それとも、単に本公演とプレビューの差かな?もう一度1階席に座ることがあったら、確認してみよう。

●舞台の見え方の話
以前に比べて、オーケストラピットが深く掘り下がったような。昔は2階席でオーケストラが結構広く見えていて、「じゃっじゃ~ん、じゃ~んじゃじゃ~ん」」でティンパニーを力強く鳴らす様子とか、楽器の持ち替えとかを見られるのが興味深かった。今は以前の半分くらいの範囲しか見えない。

それと、2階席だと舞台のすみっこまで気になっちゃう。「パリ、10年後」、曲名でいえば「乞食たち」のシーンでは、舞台に向かって左側のベランダで、女性が洗濯物を干している。反対側のベランダでは別の女性がひとり何するでもなく部屋との間を行ったり来たりして、虚しい顔でお祈りしている。何をお祈りしているのか、気になる。こういう細かい設定、どのあたりまで決まっていて、どのあたりまで役者さんに任されているのかな。こんなふうに作品への興味をそそるエピソードを、公式メディアでちょい出してくれたら、お客がリピートしたい気持ちも増すと思うんだけどな。