アンジョルラス、戦い方変わった?
しばらく更新していませんでした。
また過ちをおかすつもりのないよう、生まれ変わります。
と、思わせるほど今日4月9日の別所バルジャンの独白は説得力があった。
2週間前、3月27日に観たときは、せりふ調の言葉や細かい所作で心情を表現していたけど
先週から、ぐっと「歌派」になっちゃって。
メロディーに心を委ねているのかな、演技の力みが取れた分、歌詞が心にすとんと入ってくるようになった。
今日の司教様は、人を改心させるには正直言ってまだ力量不足。
それでも、別所バルジャンは、人生観ががらりとかわる様をしっかりみせてくれた。
2階でも、ステージと気持ちを共有できた。
最近気になるのが、アンジョルラスの戦い方。変わった?
2003年の記憶では、こんな順番だったと思うのですが。
1マリウス撃たれ落ちる
→2アンジョ駆け寄る
→3グランテールを振り切って再度バリケードを上る
→4もう弾がないので、銃を何度も振り下ろして敵の侵入を防ごうとする
→5銃も失い、敵に向かって大きく赤旗を振る。「やめろアンジョルラス」という仲間の声はもう耳に入らない
→6アンジョ撃たれる
→7グランテール後を追う
2005年版では、4が先に来て、こうなってないでしょうか?
4もう弾がないので、銃を何度も振り下ろして敵の侵入を防ごうとする
1マリウス撃たれ落ちる
→2アンジョ駆け寄る
→3グランテールを振り切って再度バリケードを上る
→赤旗振り、アンジョ撃たれ、グランもそれに続く。
記憶違いでないなら、
2003年の順番が好きなんだけれどな。
もうだめだと死を覚悟する(赤旗を振るという行動に出る)まで、
理想をあきらめず精一杯戦う(弾がない銃でも戦う)からこそ、
アンジョルラスの生き様(死に様)が光り輝くのだと思うから。
今の順番だと、駆け上って、すぐ赤旗降って、向こうに落ちてしまうから
生死をかけて戦ったという印象が薄れてしまう気がする。
それでも学生の死は涙なしでは観れないんだけど。
1階席 or 2階席
■2階席だけの特典
・バルジャンの「独白」。「先も見えない闇を這い出そう」のあたりから、バルジャンの真っ暗な足元に、照明でぐるぐると渦が描かれる。「光を求めて別れを告げよう。罪が渦巻くジャンバルジャンの世界と」という歌詞そのままに、自分の過去から抜け出ようとする姿が見える。
・「ワンデイモア」でバルジャンが「今日も~」と歌いだす場面。舞台下手にうずくまるマリウスとエポニーヌに赤い照明、上手のバルジャンとコゼットに青い照明が当たって、ステージ前方がフランス国旗の色になる。
・同じく「ワンデイモア」、学生や市民がびしっと三角形の隊列を組んでいるのが、くっきりよく見える。一番後ろでプルベールが大きな大きな赤い旗を全力で振っている様子も、見逃さずに済む。1階席だと、隊列の形も旗の動きも気づきにくい。
・ジャベールの「自殺」。ジャベールを飲み込むセーヌの激しい水流を、照明効果で表現している。バルジャンの「独白」と同じように。これも2階席だからこそ見えるもの。ジャベールが渦の底に巻き込まれていく動きと相まって、見ごたえが増す。でも、レミゼを見慣れていない人だと、これが自殺を表現していることが分かりづらいこともあるらしい…。ジャベール、ひたすら報われない…。
■1階席ならではの魅力
・「一日の終わりに」でボロをまとった貧しい民衆の群れが、舞台奥から客席間際までぐいぐい近寄ってくる。アンサンブル一人ひとりの迫力が怖いくらいに伝わってくるシーンだ。
・この舞台のカーテンコールでは、ステージ上の役者から客席へブーケを投げるのが慣例。前方席ならキャッチできる可能性高いけれど、四方八方から手が伸びてくるので、自分の席に落ちてきた花がほかの席の人に奪われることもざらにある。ご注意あれ。個人的には、花取り合戦は遠慮…。
3/12夜公演、印象深かったこと
・岡ジャベールの「スターズ」、信念に満ちたスキのない世界を作り上げている。何度も聞いて何度もすごいと思ったが、足元からしびれるような感覚に襲われたのは初めて。クラシック用のホールで、生声で聞かせてはくれないだろうか。
・「夢破れて」で涙がにじんだ。この日の井料ファンテーヌ、哀れさ、はかなさが、か細い体からあふれ出ていた。こう感じるのは、前回公演から1年半、自分も少し人生経験を積んだせいもあるのかな。
・東山アンジョルラス、2003年の主要キャストに混じると動きや声が固くてはらはらするのだけれど、学生だけのシーンでは仲間を鼓舞する使命感が際立っていた。これも、阿部グランテールや中右フイイといったベテラン役者が脇をしっかり締めていたからだろう。特にフイイのソロ「悔いはしないな、たとえ倒れても…」で、一気に学生たちに感情移入してしまった。
バルジャンとジャベールが分かち合うもの
今井バルジャンと岡ジャベールという、個人的に最も好きな組みあわせで始まった、2005年版観劇。
今回、バルジャンとジャベールの心が重なった瞬間というのが、はっきり感じられたのが、自分としては大発見だった。
瀕死のマリウスを担いで病院へと急ぐバルジャンと、それを捕らえるために下水道の出口で待ちかまえていたジャベールが、相対する。まったく反対側から距離を縮めてきた二人の気持ちは、このシーンでシンクロし、また別の方向へとすれ違っていくことになる。
「見ろ、ジャベール! 死にかけてる!」とバルジャンが凄むと、ジャベールがくるりと背を向けて「よし、バルジャン! すぐ行くのだ!」と道を明け渡す。
この日の今井バルジャンは、「見ろ、ジャベール!」という歌に「何としてもマリウスを助けなくてはいけない。時間がない」という切羽詰った想いをしっかり乗せて伝えてくれた。表情も違った。力強く前へ前へと迫っている。その気迫に、岡ジャベールが反応。外見は直立不動だけど、心の中では後ろに大きくのけぞって、足元もおぼつかなくなるほど混乱したのだろう。その姿が舞台上に見えた気がした。バルジャンに対する目線が揺れ、「よし、バルジャン! すぐ行くのだ!」という声がわずかに震えているようだった。でも、彼には先を見つめる勇気がなかった。「24653」と過去の言葉を吐いたあと、我を失う。
このシーンの前で、ジャベールは革命派の学生によってバリケードに捕らわれる。やがてバルジャンの手によって解放されるが、そのときは助けられた理由がうまく飲み込めない。そしてバリケードの陥落後、撃たれて死んだ学生アンジョルラスを見つけたジャベールは、思わず胸に手を当てる(岡ジャベールだけ)。たぶん、その時から自分でも経験のない感情が心に生まれ、どう御していいのか分からず苦しんでいたのだろう。
それにけりをつけてくれたのが、ほかでもない自分の敵、バルジャンだったことで、人生に逃げ場がなくなったのではないか。
「自分の信念の正しさを証明したい」という気持ちしか持っていなかったはずなのに、「だれかを助けたい」という衝動をバルジャンと共有してしまったジャベール。
だから余計に、自殺が悲しく感じられた。セーヌの橋の上で、「心が乱れる。信じていいか? あいつの罪まで許していいか?」と孤独な夜空に叫ぶ様子も、一層生々しい。
明日には分かる
我慢できず博多やロンドンまでも飛んでいったなあ。
もう自分の人生の一部のようになっているので、
なくなると不安でしょうがなくなるのだ。
恐ろしい作品。
2005年版初観劇は、舞台全体を見渡せる2階後方から。
この世界を、じっくりかみしめてこよう。
連続観劇どこまでできる?
歯磨きしながら、はたと、今週の行動を振り返ってみた。
土曜…3時間睡眠で飛び起きて帝劇へ。レミゼ5月チケット抽選。
日曜…映画版「オペラ座の怪人」。
月曜…特になし
火曜…花粉襲来。いつもの半分しか頭も体も動かない。
水曜…オペラ座の怪人。でも花粉症で目がしょぼしょぼ。
木曜…特になし
金曜…某舞台を当日券で見に行くつもり
土曜…レミゼ!
日曜…某舞台の予定
週に4日、舞台鑑賞とは、我ながらおどろいた。庶民の道楽にしてはやりすぎ。
どうりで最近疲れるはずだわ。
でもレミゼは別腹(?)なので大丈夫!
花粉症で観劇できるか
花粉が一斉に舞いだしたこの数日、頭がぼーっとして仕事にならない。
病院で薬を変えてもらい、
観劇日用に効き目が強い薬も処方してもらった。
さて、本当に効くだろうか?
「オペラ座の怪人」を後方席で観る予定があったので、
強い薬を1錠飲んで、効果のほどを確かめてみることにした。
結果は…ほとんど頼りにならない。
暗転するたびに「あ、今のうちマスク直さなきゃ」「かゆくて涙でてるのふかなきゃ」
とか気になって気になって、集中できないこと、このうえなし。
目薬を大量に差しているので、視界はいつもよりぼんやりしていて
地下の湖の照明がにじんで美しかったけど、それじゃあねえ…
困るのは、レミゼ3月に前方席をいくつか押さえていること。
「一日の終わりに」のぞくぞくする迫力を間近で味わうつもりだったのに、
目が充血してマスクしてむずむずしているようじゃ、恥ずかしくて座れない。
薬がだめならどうしたらいいのだろう。役者さんはどうしているのだろう。
観るほうも、悩むのです。
3月8日、初日おめでとう!
2005年のレ・ミゼラブルが始まった。
うれしい! なぜ? 今日、観てもないのに?
だって特別ですから。
「いまごろ本番中…」と帝劇方向をうらやましく眺めつつ、
今日は有楽町の書店でレミゼ関連の雑誌記事をチェック。
・『月刊ミュージカル』
ジャベール3人の座談会に一人笑いをこらえきれず。岡、今の両氏がアンジョルラスだった当時の「アンジョルラス・マリウス座談会」に並ぶレベル。気心知れた3人の遠慮ない突っ込みを楽しませてくれる。ありがとう。それにしても、こんなに違う人たちが同じ役を演じるとは。
バルジャンの今井さんインタビューより。「人が何かを求めて、もがき苦しんでいる姿って、美しいですよね」。もし今、レ・ミゼラブルという舞台を知らなかったとしても、この一文できっとチケットを買っただろう。
こういう言葉で、作品を語ることのできる役者さんが増えてほしいと思う。
・『TOP STAGE』
これまた今井氏の写真に驚き。ドレスシャツとジャケットの盛装がここまでさまになる人だったなんて新発見!市長さまの衣装のとき、今年はもっとじっくり拝見しよう。
自分が観るのは、今週末。待ち遠しい。長い。